先占と実効支配

現在の日本では「実効支配」や

「国際法上」と言う言葉が良く使われます。

まず実効支配の本来の意味は

「ただそこに人がいた」だけでは実効支配とは言わず、

その島に人の生活が営まれていて、

行政組織にきちんと組み込まれている事を言います。

この状態が実効支配です。

当時はどのように考えられていたか分かりませんが

現代ではそうでしょう。

とするならば尖閣諸島は

現在どこの国の実効支配も受けていません。

注:工場を作って運営したから

  実効支配であるという考えもありますし、

支配権の確立が長期に及んだとして

実効支配であるという考えもあります。

 

次の国際法上・・・という言葉です。

最初に書いたことを若干繰り返します。

私の勉強不足かもしれませんが、

領土に関する国際法ははっきりしません。

国際的には領土は

「先占、添付、割譲、併合、征服、時効」等の

決め方があります。

昔は人が住んでいようがいまいが、

武力つまり戦争で勝ったほうが

領土を拡張する事が認められて(?)いました。

近代になっては無住の地、

島で言えば無人島を最初に発見して

領土宣言をした国の領土になったようです。

それを先占と言います。

注: 南極のように共通の場として

   領土宣言を禁止している場合もあります。

 

尖閣はまさに先占です。

発見は資料から見れば当然中国でしょう。

ただ領土宣言をしていなかったので

所属の決まっていない単なる無人島だったのでしょう。

これは当然のことで、

昔の中国のような強大な国家は

宣言をする必要もないし、

また中国と属国琉球の途中の島ですから、

当然中国は自分の領土だと思っていたことと思います。

仮に近代になって国際的に宣言したとしても、

その時の国際とはどのような国を指すのでしょうか?

植民地で領土を拡大してきた

アメリカ・イギリス・フランス・スペイン

・オランダ・ポルトガルそして日本・・・・

等が近代国家として国際を組織していたのでしょう。

それらの近代国家が勝手に

国際に入らない非近代国家の意向を無視して

勝手に「無人島の国有宣言」をしたことが

良い事なのか疑問が残ります。