強制移住とマラリア
宮古・八重山では日本軍が駐屯していましたが、
米軍が上陸しなかったため実際の戦闘はありませんでした。
しかし相当の犠牲者が出ています。
食糧不足とマラリアのせいです。
八重山守備隊は独立混成第45旅団で、
旅団長は宮崎武之陸軍少将、参謀長は東畑広吉です。
人口6万人の島に3万人の軍隊が駐屯した
宮古ではマラリアで全滅した部落もあります。
八重山では3万人の内、58.8%が病気になり、
21.6%が死亡したといわれています。
さらにひどいのは波照間島です。
山下虎雄と名乗る第4遊撃隊の特務要員が来て、
島民全員にマラリア地帯の西表島への移住を命令しました。
1,200人以上が強制移住させられ、
9割がマラリアにかかり、1/3の500人が死亡しました。
死体を片付ける人もなく、死臭の中で横たわり、
家族の中で一人だけ生き残った少女が助かった記録があります。
●山下虎雄は本名酒井喜代輔軍曹といい陸軍中野学校出身です。
戦後波照間を訪れた山下に対して島民19人が抗議書を突きつけています。
抗議書
あなたは、今次対戦中に学校の教師の仮面をかぶり、
また国民を守るはずの軍人を装いながら、
島の住民を守るどころか
住民を軍刀による抜刀威嚇によって
極悪非道極まる暴力と横暴をふるまい、
軍の命令と偽り、島の住民を
死地マラリアの島へ医薬品皆無のまま強制移住させ、
全島の家畜を日本軍の食料に強要させ、
全島を家畜の生き地獄にさせ、
またその後は食糧難とマラリアで全島を人間の生き地獄にさせ、
その為に家系断絶や廃家を続出させたほどの
悲憤の歴史的事実を、あなたは忘れたのか・・・・