日本軍(国家)が戦争中に行なった行為の中で、
一般的にあまり知られていない事が色々ありますが、
その中に、国家自らが阿片の販売を取り仕切り、
莫大な利益を上げていたという行為があります。
中国支配のために阿片中毒患者を
国が率先して増やしていったという反人道的な面は勿論ですが、
阿片の販売から上がる収益を得る事が目的でもありました。
これは重大な問題でしょう。
東京裁判の判決では
1 .満州国の経費を賄うため
2.中国軍の抵抗を弱めるため
と印されています。
しかしその後うやむやになり国民にも注目されませんでしたし、
戦後の歴史にも残りませんでした。
それは日本が阿片・麻薬を取り締まる
4つの国際条約(日本は批准していた)を
無視した犯罪であることを自覚していたため、
敗戦時に徹底的に資料を焼却し、
関係者も口を閉ざしていたからです。
このレポートではこの問題を書きます。
[ 阿片とは ]
阿片はケシの花から作ります。
ケシは5~6月頃美しい10センチ位の白い花を咲かせます。(赤や紫もある)
花のあとに出来る楕円形の実を刃物で傷つけて出てきた乳液が阿片です。
その乳液を乾燥させて餅状にしたものが「生阿片」、
それを精製して練膏状にしたものを「阿片煙膏」と言います。
阿片の作用はそれに含まれる5~15%のモルヒネによるものです。
そのため阿片を精製して「モルヒネ」が作られます。
さらにそのモルヒネを加工したり合成したりして
ジアセチルモルヒネを作ります。
それは通称「ヘロイン」と呼ばれます。