肥満度の度合いを測る数値です。
性別や年齢関係なしに「18.5~25」を正常値としています。
理想数値は男性22、女性21とされています。
● 2000年 日本肥満学会の肥満症の診断基準
診断 | BMI |
低体重 | <18.5 |
普通体重 | 18.5≦~<25 |
肥満(1度) | 25≦~<30 |
肥満(2度) | 30≦~<35 |
肥満(3度) | 35≦~<40 |
肥満(4度) | 40≦ |
● BMIの計算 体重(Kg)÷[身長×身長(m)]
例 体重75kgで身長1m70cmの人の場合
75÷[1.7×1.7]=25.95
この人の場合「25」を超えているので
肥満と言うことになりますが。
常識的に考えて、
175センチの男性で70キロの男性は普通でしょう
BMIの平均が年度でどのように推移したのか、
年齢別の調査を見てみます。
● 厚生労働省国民健康・栄養調査から
男性の平均値
| 昭和55年 | 平成2年 | 平成12年 | 平成24年 |
30~39歳 | 22.6 | 22.9 | 23.5 | 23.6 |
40~49歳 | 23.0 | 23.3 | 23.5 | 24.1 |
50~59歳 | 22.6 | 23.2 | 23.6 | 23.9 |
60~69歳 | 22.0 | 22.6 | 23.6 | 23.6 |
70歳以上 | 21.3 | 21.9 | 22.6 | 23.3 |
女性の平均値
| 昭和55年 | 平成2年 | 平成12年 | 平成24年 |
30~39歳 | 22.0 | 21.7 | 21.5 | 21.3 |
40~49歳 | 23.2 | 22.7 | 22.7 | 21.9 |
50~59歳 | 23.2 | 23.3 | 23.6 | 22.6 |
60~69歳 | 22.9 | 23.4 | 23.7 | 22.8 |
70歳以上 | 22.4 | 22.7 | 23.1 | 22.9 |
注:日本人の平均死亡率(厚生労働省人口動態調査)では
男女とも年々死亡率は下がっています。
しかしBMIの平均値では男性の場合
年々数字は上昇しています。
と言うことは栄養状態は年々良くなって
BMIの数値が高くなったら
逆に死亡率が下がったと言うことになります。
次に年代別にBMI25以上の人がどの位いるかです。
● 厚生労働省国民健康・栄養調査から
男性のBM25以上の率
| 平成16年 | 平成17年 | 平成18年 | 平成24年 |
40~49歳 | 34.2% | 36.6% | 33.4% | 36.6% |
50~59歳 | 35.7% | 35.0% | 33.1% | 31.6% |
60~69歳 | 31.6% | 33.2% | 33.7% | 29.6% |
70歳以上 | 28.3% | 27.6% | 24.4% | 27.3% |
女性のBM25以上の率
| 平成16年 | 平成17年 | 平成18年 | 平成24年 |
40~49歳 | 20.1% | 19.4% | 16.4% | 16.2% |
50~59歳 | 25.6% | 24.0% | 25.3% | 21.6% |
60~69歳 | 31.0% | 30.6% | 27.2% | 22.8% |
70歳以上 | 29.2% | 29.3% | 27.1% | 24.6% |
注:女性の場合BMIが低くなる傾向があります。
ダイエットで栄養状態が悪くなっていることが
原因と思われます。
また腹囲とBMIの関係を見てみると、
腹囲の基準で該当するBMIを見てみると、
男性85cmはBMIで23.5、
女性90cmはBMIで25.になります。
腹囲とBMIの整合性が疑われると思います。
日本の研究で日米比較の研究があります。
● 20~74才を対象としたBMIの日米比較
米国:NHANESⅢ、1988-1994
日本:総合健診学会2002年
BMI | 0~18.4 低体重 | 18.5~24.9 標準体重 | 25.0~29.9 太り気味 | 30.0~34.9 軽度肥満 | 35.0以上 中高度肥満 |
米国 | 2.2% | 40.7% | 33.8% | 15.0% | 8.3% |
日本 | 6.7% | 69.6% | 21.1% | 2.3% | 0.3% |
注:この表を見ると日本では低体重(栄養不足)
アメリカでは高度肥満(栄養過多)が目立ちます。
BMIの基準はもう少し高くても良いという意見も多く、
2014年4月5日日本人間ドック協会と
健康保険組合連合会が研究した数値を発表しました。
* 男性 18.5~27.7
女性 16.8~26.1
従来の基準と比べるとあまりにも違いがあります。
しかしどうもこの数値のほうが妥当性がありそうです。
そのあたりを次のグラフで示します。
まずBMIと死亡率の関係をアメリカと日本のグラフです。
[BMIと死亡・アメリカのグラフ]
アメリカ死亡と肥満
注:高齢者60歳以上では高いより低い方がより危険です
[BMIと死亡・日本のグラフ]
● BMIと総死亡率(久我山研究)
注:この久我山研究では男性のBMI23~27、
女性のBMI23~25が最も安全な事が分かります。
● 死亡指数とBMIの関連
横山哲 日本保険医学会誌 1997より
浜六郎氏の作成
男性でも女性でも
BMIが17以下や29以上の極端な数字以外、
18~28位では死亡指数にあまり差はないようです。
気にするほどではないと言うことです。
次にBMIと糖尿病です。
やせている人でも糖尿病に罹るというグラフです。
[糖尿病とBMI]
● 糖尿病を発症した人のBMI
注:BMIが25未満でも糖尿病患者が多い事が分かります。
糖尿病で言えば愛知学院大学歯学部
横田充弘教授の疫学調査があります。
(2010年3月29日 東京新聞)
☆2004年から4年間、
愛知県北名古屋市に住む50歳以上の
約4000人を対象にした調査
☆日本肥満学会ではBMI25未満を
標準体型としているが、
この調査によると糖尿病が一番多いのは
BMI24.2と言う結果になった。
☆アメリカ人ではBMI32に
糖尿病が多いことも発表
☆50歳以上に限らず、
女性全体で調査するともっと
少ないBMIが糖尿病が多い事も判明
これらのデ-タ-を見る限り
痩せてスタイルのよい人(BMIの低い人)が
必ずしも糖尿病にならない或いは死亡数が少ない・・・
と言う事にはならないことが分かると思います。
と言うことは、
メタボ検診では肥満を先にチェックして
次の検査に入るので、
BMIをパスすると見逃される
可能性があると言うことです。