アジアの各地に散らばっている
(ヨ-ロッパにもいますが)生存犠牲者に対し
私たちはどの様な処遇をしたら良いのでしょうか?
思いつくままに箇条書きにしてみます。
1. 日本の国自らが積極的に調査をすること
2. 被害者が出来るだけ原状回復出来るようにする
つまり本人が希望すれば、
もといた場所に帰国や帰郷させる
出生地への優先的永住帰国、帰国後の生活保障
その際は所有の財産を持っていけるようにする
3. 更生の手助けをする
病気治療 精神的治療 リハビリ 教育 職業訓練
4. 国として正式に謝罪し、被害者の名誉を回復させる
5. 国としてきちんと損害賠償する
6. 日本人でこの問題に関与した
責任者を探し出して処罰する
7. 再発防止の政策を実行する
教育や教科書に生かしてきちんとした歴史認識を育てる
遺跡を保存し祈念の施設を作り、
後世の人が忘れないようにする
被害者も、アジアの国々も、国連も
このようなことを望んでいると思いますが、
加害者も被害者も高齢になって
これらの事は現実には難しくなっています。
残念な事に上記7項目の内、
1つですら日本は実行していません。
反対に慰安婦は存在しなかったとか、
某市長のように「慰安婦制度」を肯定する人さえいます。
最近では政府も歩調を合わせて
慰安婦問題を否定するように見えます。
慰安婦に関する裁判のほぼ全部が
門前払いされるなか、
教科書も又否定する方向に進んでいるようです。
このような状況では、
国際社会特にアジアの国々から
信頼を受けることは無理でしょう。
戦争中の女性に対する性暴力の問題が
日本で問題になりづらいのは、
男性社会での女性観、
特に日本男性の女性観が影響しているかもしれません。
● 日本男性の女性観
1992年にカンボジア復興のために
国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)が入っていました。
その影響でカンボジアで買売春の増加、
女性差別、エイズが増加しました。
そして性的被害を受けた女性の「被害の置き去り」、
つまり強姦が多発し、
混血児が放置されるという事件が多発しました。
地元のプノンペンポスト(英字紙1992.10.11)には
それらの行為に対して抗議する
カンボジア女性団体の記事が掲載されました。
(意訳)
UNTAC要員の行動規範を作り、
強制する方法を確立して欲しい。
最悪の場合には、加害者を本国送還せよ。
私たち が見るのは、
ル-ルがないのだから何をやっても
構わないというようなUNTAC要員の態度だ。
● 当時のUNTACの明石代表は、
その抗議に対して次のように答えています。
驚くべき発言です。
(意訳)
若い健康な兵士がジャングルの中で
きつい仕事をやっている。
町へ出てきて美しい女性を追いかける
権利ぐらいはある。
(1996.6.28 週間金曜日 西野瑠美子論文)
● カンボジア女性団体の
キエン・セレイ・バルさんは
次のように発言しています。
(意訳)
明石代表は、いたずらは仕方がないと弁護しました。
私たち女性団体は、
UNTACスタッフをもっとコントロ-ルして
強姦事件などもう起こらないようにして
欲しいと頼んだのです。
明石代表は、男は世界中どこでも同じだ。
男が女を 買うのは普通の事だ。
男はいつまでたっても男だと答えたのです。
(同上論文から)
その後UNTACから兵士に行なわれた指導は
「売春施設に行く時には国連の車で行くな」と言う
指導だったといわれています。
実にみっともない事です。
● 1992年11月に日本のあるカトリック団体の
月刊誌に驚くべきコラムが載りました。
(要旨)
カンボジアに行く自衛隊員は
半年交代だそうです。
しかし健康で若い男に半年間辛抱しろと
命ずるのはムゴいことです。
かといって手近な女性に手を出せば、
カンボジアはタイA型エイズウイルスの直ぐ近くです。
冗談ではなしに、
私は従軍慰安婦を送るのも一案だと考えています。
私は年の功で、その必要な事を知っているのです。
注: 問題発言です。
エイズがなければカンボジアの女性に
手を出しても良いと言っているようなものです。
これらの発言を見ると、
軍隊があるところには売春がある。
軍隊があるところには性暴力がある・・・・
必要悪で仕方がないという、
特に日本の男性に多く見られる
本音のように感じられます。
そして残念な事には日本の場合
多くの女性がこの男性の意識を
支持していることです
人権問題なのだという意識が
国連代表にもないのですから、
日本の一般男性にないのは当然かもしれません。