報道は毎日検査の陽性者の人数と、重症化や死亡のニュ-スが主です。
発症した直後にどのような治療がされたのかが報道されません。
おそらくは医療機関でも個人でもすぐに解熱剤を投与していると思います。
PCR検査から重症化までの流れを少し整理します。
◎陽性になってから、重症化及び死亡に至るまでの経緯です。
PCR検査陽性
感染
発症
治療
重症化
死亡
「PCR検査陽性」
報道では毎日のようにPCR検査による陽性者の数字を
感染率として発表しています。
ウイルス陽性とはウイルスがそこにいたということで、感染とは違います。
私たちの身体は外側も体内も微生物が一杯いて共生しています。
腸内細菌が有名ですが、腸内細菌に感染したとは言いません
「感染」
たとえPCR検査で陽性と出ても、
基礎免疫や抗体のある人は感染しないか、
感染しても気が付かないうちに治ります。
そして運悪くウイルスが侵入すると感染という状態になります。
身体は感染を察知すると免疫力ですぐに戦う準備に入ります。
まずは発熱して、時間稼ぎをしてその間に各種免疫を作動させます。
これら発熱や免疫の仕組みを総称してサイトカインといいます。
「発熱」
ウイルスが身体に侵入すると感染です。
免疫力や発熱で戦います。
新しいウイルスではまだ身体に抗体がありませんので、
対処に時間がかかります。
その為にまず発熱してウイルスと闘いながら免疫力の作動開始を待ちます。
発熱はウイルスの活動つまり増殖を押さえたり、
ウイルスを殺すので非常に重要なことです。
そのため熱は38℃~40℃以上にもなります。
40℃以上の高熱の場合、動物実験では約6時間でウイルスは死滅します。
「安易な解熱」
感染初期の発熱は大切なのですが、
私たちは心配ですぐに解熱剤を使用します。
おそらく医療機関でも対処として熱を下げようとしていると思います。
しかし感染初期に熱を下げると、
ウイルスは死滅しないで生き残ってしまいます。
そして再び増殖し活動はより活発になり、再び発熱します。
「再発熱」
身体の防衛を突破しての感染拡大ですから、
増殖したウイルスは安心して全身に広がります。
そして身体は活発なウイルスと戦うため最初の発熱よりさらに高く発熱します。
「感染の拡大」
増殖した新型コロナウイルスは血中のACE-2と一緒に全身をまわり、
全身の細胞に感染します。
→肺細胞、筋肉細胞、脳細胞、味覚細胞、腸、免疫細胞・・・・・
このことが色々な後遺症に関係していると思われます。
高齢者、基礎疾患のある人、薬を多く飲んでいる人は、
ACE-2が増えているので不利になります。
「重症化・サイトカイン暴走」
感染が拡大して重症になると、
さらに、解熱、ステロイド、その他対症療法として
多くの薬や高度な治療が行われます。
もともと身体を守るサイトカインが初期に発動しているのに、
病態が拡大し、治療が続くと、
免疫が混乱し暴走する場合があります。
これをサイトカインスト-ムといいます。サイトカインの嵐です。
そして免疫の暴走が始まると、もともと基礎疾患のある人は重症化します。
最悪の場合に死亡すると思われます。
「感染初期の解熱」
一概には言えませんが、健康な人の場合です。
健康な場合は、ウイルス感染の仕組みを考えると、
感染初期に慌てて解熱する必要はないと思われます。
ウイルスが感染しても全身の細胞に行かない初期に
身体は発熱で戦っているのです。
せっかく6時間でウイルスは死滅するので、
その段階でウイルスを撃退したいところです。
問題は基礎疾患がある人及び、日常色々な薬を服用している人です。
その場合初期の発熱でも体にダメ-ジを与える可能性があります。
医療機関に相談する必要があります。
「解熱剤と重症化」
感染初期に解熱剤を使うと不利になる論文が沢山あります。
新型コロナウイルスだけではなく、一般のウイルスも同じです。
内容は「NPO医薬ビジランスセンタ-の資料」から引用します。
◎水痘感染とイブプロフェンの使用
Choo等5論文集計
イブプロフェンを使用すると7倍重症感染症を増やす
◎ウイルスや細菌に感染した各種動物にイブプロフェンを使用した場合
Hamilton等7論文集計
感染動物の死亡が20倍に増えた
◎インフルエンザ感染の動物にNSAIDs解熱剤を使用した場合
感染動物の死亡率が10倍以上増えた
◎アセトアミノフェン(商品名 カロナ-ル)
水痘の場合 平熱まで下げた時→治療期間の1.1日延長
◎アセトアミノフェン
主に敗血症等の成人重篤患者の内 38.5℃以上が3日以上続いた人
平熱まで下げた場合
38.5℃以下の強力解熱した時 16%死亡
40℃以上を40度まで下げた緩和解熱 2.6%死
「解熱剤の種類」
解熱剤にはいろいろな種類がありますが、ステロイド系と非ステロイドがあります。
非ステロイド系が主力でNSAIDsと言われ、
バッファリン、ボルタレン、イブプロフェン、アセトアミノフェン(カロナ-ル)が有名です。
比較的アセトアミノフェン(カロナ-ル)が安全といわれ、小児に推奨されています。
数年前からアメリカでのインフルエンザの死亡数の多さが話題になっていました。
その理由としては、アメリカはイブプロフェンの使い過ぎと噂されていました。
今回の新型コロナでもアメリカの死亡数は際立っています。
2020年3月にはフランスの厚生省、英国の保健省、
そして2020年6月にはWHOのテドリス氏が
「新型インフルエンザにイブプロフェンをひかえるように、
アセトアミノフェンをすすめる」とコメントしました。
「基礎疾患と常用している薬」
基礎疾患のある人は不利といわれます。
「追加:重症化から死亡へのリスク」項目の重症時の持病と死亡率を見ると、
基礎疾患とは言えないものまで含まれます。
肥満、高脂血症、高血圧などです。
そのせいかそれらの死亡率は少ないようです。
何でもかんでも基礎疾患といわれますが、
単に数値の問題で基礎疾患とは言えない場合があります。
血圧を取り上げます。
色々な血圧基準値
◎1987年 厚生省 140mmHg以上 要指導
180mmHg以上 要医療
◎1990年 厚生省 目標値 60歳代 140~160mmHg
70歳代 160~180mmHg
◎1999年 国際高血圧学会指針 160mmHg以上 高血圧
140~159mmHg 境界域
◎2000年 高血圧治療ガイドライン 治療目標 160mmHg
◎2014年 人間ドック学会と健康保険組合 147mmHg以上
ですから、血圧130mg/hg以上を基礎疾患とすることは変なことです。
このような基準のおかしいところは肥満、高脂血症や血糖値でも見られます。
そこで疑われるのは常用している不必要な薬です。
薬の中には免疫力を下げるものや
副作用で感染に不利なものがかなりあります。
列記します。
「不利と思われる常用される薬」
◎タミフルやゾフル-ザ
感染初期の発熱時にインフルエンザと誤診され処方される可能性
ウイルス感染の仕組みが異なるので、免疫の働きが阻害される場合がある
◎降圧剤
→「ACE阻害剤」「ARB」
コロナウイルスを全身に運ぶACE2の関連物質です。
ACE2が増えるので感染しやすくなる
逆にACE阻害剤は危険度が低いという論文もあります
→カルシウム拮抗剤
重症化する危険度が増える
→β遮断材
免疫力抑制の可能性
◎血糖降下剤
◎コレステロ-ル低下剤
コレステロ-ル値が低いほど新型コロナウイルスが重症化するという論文もあります
◎睡眠剤
◎安定剤
◎喘息治療剤
免疫力を下げる
◎抗リュ-マチ剤
免疫力を下げる
◎花粉症の薬
免疫力を下げる
◎胃酸抑制剤
肺炎が報告されている
PPI-タケプロン、パリエット
H2ブロッカ-
その他