新型コロナウイルスで世界中がパニック状態です。
その為急いでこの事について書きました。
慌てて書きましたので、
少し雑かもしれませんがご容赦ください。
少し冷静になって初歩的な免疫の仕組みを含めて
色々と考えてみたいと思います。
まず新型コロナウイルスによる重症者や死亡者についてです。
「感染と死亡」
微生物には感染するとかなり危険なものがあります。
細菌ではコレラ、ペスト、チフスなど、
ウイルスでは日本脳炎、ポリオ、天然痘、狂犬病などが有名です。
これらは微生物の名前がそのまま病気の名前になっています。
しかし呼吸器から感染する
コロナウイルスやインフルエンザウイルスは
肺炎か、もしくは元々抱えている余病で死亡します。
その為直接の死亡原因が何なのか、
死亡統計を出すのは困難になります。
例えば新型コロナウイルスの死亡も同じで事で
直接の死因は肺炎又は持病の悪化です。
但し今回は検査して新型コロナウイルスと
確認してからの死亡ですから統計は楽になります。
それに引き換えインフルエンザではなかなか統計は出しづらくなります。
そこでWHOでは「超過死亡」という考えをしています。
「インフルエンザの超過死亡」
従来の死亡統計と比較して
「直接・間接を問わずインフルエンザの流行がなければ
回避できたであろう死亡者数」を導き出すのです。
平均より死亡者数が増えた時に丁度インフルエンザが流行していれば、
インフルエンザによる超過死亡となります。
日本では21の大都市で集計されています。
「コロナ 密閉空間での感染と死亡率」
密閉空間での感染率は全人数検査をすると正確に分かります。
有名なのは初期のクル-ズ船と東京台東区の永寿病院です。
想像以上に感染率が低いことが分かります。
通常の市中感染の参考になると思います。
●クル-ズ船の場合
クル-ズ船には乗組員を含めて3711人が乗っていました。
全員検査をして感染確定者は712人です。
船という密閉された空間での感染率は19.2%です。
感染確定者712人に対して死亡者12人です。
死亡率は1.69%です。
●永寿病院の場合
永寿病院では入院患者463人、
職員1019人の合計1482人が検査されています。
その内感染者は201人です。
この密閉空間での感染率は13.6%です。
病院ですから衛生管理がされているため
クル-ズ船より感染率が低いと思われます。
そして感染者201人にたいして死亡者は30人です。
感染者の死亡率は14.9%です。
病院ですから病気のある人が入院しているので
死亡率が高いのは当然だと思われます。
参考までに死亡者は男性22人、女性8人です。
●長崎に停泊していたクル-ズ船、コスタアトランチカの場合
乗組員623人、感染者148人、密閉空間での感染率23.75%です。
この数字が多いかどうかですが、
毎年のインフルエンザの死亡数と比較してみます。
「インフルエンザによる死亡者数」
超過死亡の考えで出した数字です。
◎月別の死亡者 厚生労働省「人口動態統計」から
年 | 月 | 死亡者数 |
2017年 | 1月 | 730人 |
2月 | 871人 |
3月 | 488人 |
4月 | 150人 |
5月 | 58人 |
6月 | 12人 |
7月 | 8人 |
8月 | 7人 |
9月 | 13人 |
10月 | 7人 |
11月 | 28人 |
12月 | 147人 |
年合計 | 2519人 |
2018年 | 1月 | 1092人 |
2月 | 1260人 |
3月 | 581人 |
4月 | 180人 |
5月 | 56人 |
6月 | 23人 |
7月 | 8人 |
8月 | 4人 |
9月 | 6人 |
10月 | 7人 |
11月 | 13人 |
12月 | 95人 |
年合計 | 3325人 |
2019年 | 1月 | 1685人 |
2月 | 1107人 |
3月 | 258人 |
4月 | 96人 |
5月 | 52人 |
6月 | 11人 |
7月 | 12人 |
8月 | 10人 |
9月 | 21人 |
10月 | 未集計 |
11月 | 未集計 |
12月 | 未集計 |
年合計 | 3252人 |
「国立感染症研究所の数字」
2009年~翌年にかけて
新型インフルエンザの名称で大パニックを起こしました。
この時はインフルエンザ大流行と騒がれた中での
統計ですから比較的正確だろうと思われます。
日本での感染者は2000万人と言われます。
その内、死亡者は198人です。
全員が基礎疾患(余病)のある人或いは低体温でした。
(解熱剤とタミフルの併用)
これ等を見る限り圧倒的にインフルエンザの
死亡者が多いことに気が付きます。
新型コロナウイルスの方が軽く済むという事です。
「年間死亡数との関連」
余談ですが、
日本の年間の出生数は昔と違ってかなり減りましたが、
死亡者の数はどのくらいあるのでしょうか?
2019年の統計では
出生数 865,239人
死亡数 1,381,093人です。
死亡数が50万人以上多くなっています。
人口が減るのは当然のことでしょう。
さて死亡原因です。
1位 がん 27.3%
2位 心疾患 15.0%
3位 肺炎・誤嚥性肺炎 9.8
4位 老衰 8.8%
5位 脳血管疾患 7.7%
高齢者に関係する3位と4位を合計すると18.6%になります。
年間死亡数 1,381,093人の内高齢者の数は
1,381,093人の18.6% 256,883人
1日当たりでは 704人になります。
つまり通常でも毎日704人の高齢者が
老衰や肺炎関連で亡くなっているのです。
但し肺炎がすべて高齢者とは限りませんが、
多いことには違いはないでしょう。
今回のコロナウイルスによる高齢者死亡者の多くは、
偶然のタイミングでコロナウイルスに感染・死亡した可能性があります。
次回は微生物、特にウイルスの感染と免疫について簡単に書きます。