この報告書の正式名称は
「華人労務者就労事情調査報告書」で、
外務省管理局が昭和21年3月1日に発表したものです。
内容は5分冊になっています。
要旨 69ペ-ジ
別冊 23ペ-ジ
第一分冊 第一部 移入・配置及送還事情 220ペ-ジ
第二分冊 第二部 死亡・疾病・障害及関係事情 233ペ-ジ
第三分冊 第三部 就労事情・紛糾及就労成果 135ペ-ジ
さらにこの報告書を作るに当っての
関連文書もアメリカ国立公文書館から発見されました。
そこには調査のために全国を飛び歩いた
外務省職員の業務日誌や旅費明細などもありました。
本邦華人労務者就労事情調査ニ関スル件
委託発令ニ関スル件
出張並ニ手当ニ関スル件
調査員・北村吉郎日記
その他
これらの資料を作った目的は!
●本邦華人労務者就労事情調査に関する件(原文カナ)
・・・・内外各般の説明資料
殊に近く来朝を予想せらるる
中国側調査団への説明に備える目的をもって、
概ね別紙要領により之が詳細調査を実施・・・・
注:終戦時、日本の占領に中国軍が来る計画もあり、
来ないまでも調査団が来日すると予想した政府は、
強制連行ではなくきちんとした労働であると
主張するために調査をしたのです。
つまり対中国用として準備しました。
しかし中国は来日しなかったため、
今度は東京裁判のために証拠を焼却したのです。
この資料の目的から考えて、
戦争犯罪追求に備えてのことですから、
虚偽の記述、死亡原因や数字のいい加減等、
日本に都合の良いように書かれていますから、
正確なことは分かりません。
資料にある数字、
日本に連行された人数(38,935人)、
死亡者(6,830人)、
労務者の就労場所(35社、135事業所)は
目安です。
しかし他に資料がないため、
重要な資料として参考にします。