原子力安全委員会決定 平成18年9月19日
注:この指針は昭和56年7月に発表され、
平成13年に一部改定されましたが平成18年に全面見直しをしたものです。
詳しい事は「原発の耐震基準」のところで書いています。
3.基本方針
耐震設計上重要な施設は、
敷地周辺の地質・地質構造並びに地震活動性等の地震学及び地震工学的見地から
施設の供用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性があり、
施設に大きな影響を与えるおそれがあると想定することが適切な地震動による地震力に対して、
その安全機能が損なわれることがないように設計されなければならない。
さらに、施設は、
地震により発生する可能性のある環境への放射線による影響の観点からなされる耐震設計上の区分ごとに、
適切と考えられる設計用地震力に十分耐えられるように設計されなければならない。
また、建物・構造物は、十分な支持性能をもつ地盤に設置されなければならない。
(解説)
Ⅰ.基本方針について
(2)「残余のリスク」の存在について
地震学的見地からは、
上記(1)のように策定された地震動を上回る強さの地震動が生起する可能性は否定できない。
このことは、耐震設計用の地震動の策定において、
「残余のリスク」(策定された地震動)を上回る地震動の影響が施設に及ぶことにより、
施設に重大な損傷事象が発生すること、
施設から大量の放射性物質が放散される事象が発生すること、
あるいはそれらの結果として
周辺公衆に対して放射線被ばくによる災害を及ぼすことのリスクが存在することを意味する。
したがって、施設の設計に当たっては、
策定された地震動を上回る地震動が生起する可能性に対して適切な考慮を払い、
基本設計の段階のみならず、それ以降の段階も含めて、
この「残余のリスク」の存在を十分認識しつつ、
それを合理的に実行可能な限り小さくするための努力が払われるべきである。
注:残余のリスクつまりはっきりと原発のリスクは存在する、と認めています
5.基準地震動の策定
施設の耐震設計において基準とする地震動は、
敷地周辺の地質・地質構造並びに地震活動性の地震学及び地震工学的見地から
施設の供用期間中に極めてまれではあるが発生する可能性があり、
施設に大きな影響を与えるおそれがあると想定することが適切なものとして策定されなければならない。
(以下、この地震動を「基準地震動ss」という。)
基準地震動ssは、以下の方法により策定することとする。
(1)基準地震動ssは、下記(2)の「敷地ごとに地震を特定して策定する地震動」
及び(3)の「地震を特定せず策定する地震動」について、
敷地における解放基盤表面における水平方向及び鉛直方向の地震動としてそれぞれ策定することとする。
(解説)
Ⅱ.基準地震動ssの策定について
(1)基準地震動ssの性格について
旧指針においては、基準地震動に関して、
地震動S1及び地震動S2の2種類を策定することとしていたが、
今次改定においてはこの双方の策定方針を統合し、基準地震動ssとして、
検討用地震の選定、地震動評価等について高度化を図ったものである。
この基準地震動ssは、施設の耐震安全性を確保するための耐震設計の前提となる振動であり・・・・・