ここで実際に日本人の成人が
どのような血圧の状態にあるのかを
国の調査から見てみます。
厚生労働省ではかなり
正確な調査を行なっています。
以前は最高血圧の治療が必要なのは
160以上で、
改正されるたびに基準が厳しくなっていすので、
今の基準の130までの範囲、
つまり130~159までを厚生省の統計から見ます。
● 平成24年 国民健康・栄養調査報告書から
厚生労働省 平成26年3月発表
男性
血圧を下げる薬を飲んでいる人も含む
最高血圧 | 30~39歳 | 40~49歳 | 50~59歳 | 60~69歳 | 70歳~ | 40~89歳 |
男 | 90~99 | 1.4% | 1.5% | 0.3% | 0.4% | 0.2% | 0.5% |
100~109 | 12.5% | 8.5% | 3.3% | 3.0% | 1.9% | 3.4% |
110~119 | 26.7% | 20.2% | 11.3% | 7.3% | 7.3% | 9.8% |
120~129 | 31.2% | 27.7% | 20.0% | 18.8% | 15.7% | 19.1% |
130~139 | 18.2% | 20.6% | 25.2% | 24.9% | 24.6% | 24.2% |
140~149 | 6.1% | 13.0% | 21.0% | 19.4% | 22.5% | 19.8% |
150~159 | 2.9% | 4.2% | 9.2% | 13.7% | 15.5% | 12.3% |
160~169 | 0.5% | 2.5% | 5.0% | 6.6% | 7.4% | 6.1% |
170~179 | 0.5% | 1.0% | 3.3% | 4.0% | 3.0% | 3.0% |
180以上 | 0.2% | 0.7% | 1.3% | 2.0% | 1.9% | 1.6% |
人数 | 658 | 732 | 868 | 1,663 | 1,924 | 5,152 |
注 1. 最高血圧130~159までの人で
40歳以上の人(一番右側)を見てみます
130~139 24.2%
140~149 19.8%
150~159 12.3%
合計すると、56.3%にもなります。
つまり40歳以上の成人男性の56.3%が高血圧とされます。
既に投薬されている人もされていない人もいます。
注2. 本来は人数の構成で一番山になるところ、
つまり多い部分は標準とするべきでしょう。
数値の多い山を4つ選ぶと
標準低目 120~129 19.1%
標準中心 130~149 44.0%
標準高目 150~159 12.3%
となります。
と言うことは120~149の範囲に入る人が
標準的な人ということになります。
薬を飲む必要がないということです。
注3. この統計は降圧剤を飲んでいる人を含みますので、
飲んでいない人だけの統計も見てみます。
130~139 23.7%
140~149 17.0%
150~159 10.4%
合計すると、51.1%です。
やはり過半数を超えます。
降圧剤を飲んでいても飲んでいなくても
50%を超えることは、
薬があまり効かないのかもしれません。
女性。
やはり血圧を下げる薬を飲んでいる人も含みます。
最高血圧 | 30~39歳 | 40~49歳 | 50~59歳 | 60~69歳 | 70歳~ | 40~89歳 |
女 | 90~99 | 14.6% | 7.6% | 1.8% | 0.9% | 0.4% | 2.0% |
100~109 | 31.4% | 21.2% | 11.6% | 6.0% | 3.0% | 8.6% |
110~119 | 28.0% | 27.8% | 19.4% | 11.5% | 8.6% | 14.8% |
120~129 | 17.1% | 22.2% | 23.6% | 21.3% | 16.8% | 20.4% |
130~139 | 5.1% | 12.7% | 18.1% | 24.6% | 24.7% | 21.4% |
140~149 | 1.7% | 4.6% | 12.6% | 17.4% | 21.8% | 15.8% |
150~159 | 0.5% | 1.9% | 6.6% | 10.0% | 13.7% | 9.2% |
160~169 | 0.4% | 0.8% | 3.5% | 4.6% | 6.4% | 4.4% |
170~179 | 0.0% | 0.3% | 1.3% | 2.2% | 3.3% | 2.1% |
180以上 | 0.0% | 0.3% | 1.4% | 1.3% | 1.3% | 1.1% |
人数 | 1,094 | 1,025 | 1,466 | 2,224 | 2,486 | 7,341 |
注1 最高血圧130~159までの人で
40歳以上の人(一番右側)を見てみます
130~139 21.4%
140~149 15.8%
150~159 9.2%
合計すると、46.4%にもなります。
つまり40歳以上の成人女性の
46.4%が高血圧とされるのです。
注2 本来は人数の構成で一番山になるところ、
つまり多い部分は標準とするべきでしょう。
男性と同じように数値の多いところを4つ選びます
標準低目 110~119 14.8%
標準中心 120~139 41.8%
標準高目 140~149 15.8%
となります。
注3. この統計は降圧剤を飲んでいる人を含みます。
飲んでいない人だけの統計も見てみます。
130~139 19.8%
140~149 11.6%
150~159 6.3%
合計すると、37.7%です。
注4 女性の場合一段低い120~129が20.4%あるので。
傾向として男性より血圧が低めなことがわかります。
これは異常ではなく単なる男女の違いか
ダイエット栄等養の違いかもしれません。
一律ではなく男女別に基準を
設定するほうが良いのかもしれません。
厚生労働省の報告をもう一つ見てみます。
今度は血圧の分類と人数の割合です
● 血圧の分類と人数の割合
平成24年 国民健康・栄養調査報告書から
厚生労働省 平成26年3月発表
分類 正常血圧 上120~129 下84以下
正常高値血圧 上130~139 下85~89
Ⅰ度高血圧 上140~159 下90~99
降圧剤を飲んでいる人を含む
男
年齢 | 正常血圧 | 正常高値血圧 | Ⅰ度高血圧 |
40~49歳 | 22.8% | 20.0% | 21.9% |
50~59歳 | 14.7% | 22.3% | 33.3% |
60~69歳 | 19.3% | 23.6% | 33.2% |
70歳以上 | 14.2% | 25.3% | 37.9% |
女
年齢 | 正常血圧 | 正常高値血圧 | Ⅰ度高血圧 |
40~49歳 | 21.3% | 13.2% | 8.8% |
50~59歳 | 21.2% | 19.3% | 19.6% |
60~69歳 | 20.5% | 24.9% | 28.7% |
70歳以上 | 17.4% | 22.9% | 36.7% |
解説 正常高値高血圧とⅠ度高血圧つまり130~159の合計を見ます
男性
40~49歳 41.9%
50~59歳 55.6%
60~69歳 56.8%
70歳以上 63.2%
女性
40~49歳 22.0%
50~59歳 38.9%
60~69歳 53.6%
70歳以上 59.6%
薬を飲んでいない人だけの統計と比べます
男性
40~49歳 42.0%
50~59歳 53.4%
60~69歳 51.5%
70歳以上 58.4%
女性
40~49歳 20.7%
50~59歳 36.1%
60~69歳 46.7%
70歳以上 55.0%
やはり薬を飲んでも飲まなくてもあまり変わりないようです。
男性の50歳以上と女性の60歳以上では
正常血圧が正常高血圧より少ないのも注目です
正常高血圧を標準の数値とするべきでしょう
次に日本総合健診学会、
全国70万人の健診結果からの
年齢別の基準範囲を見てみます。
基準範囲とは正常な人の95%が含まれる数値です。
正常な上限と下限の範囲に入っていれば
95%の範囲ですと言うことです。
男性の最高血圧のみ表にしてみました。
● 最高血圧の基準(正常な)範囲
注:折れ線グラフから数字にしたため大まかな数字です
年齢 | 正常な上限 | 正常な下限 | 目標の範囲 |
45~49 | 150 | 90 | 110~130 |
50~54 | 155 | 90 | 112~134 |
55~59 | 161 | 90 | 113~138 |
60~64 | 163 | 92 | 115~140 |
65~69 | 163 | 98 | 120~143 |
70~74 | 168 | 98 | 121~145 |
75~79 | 167 | 103 | 123~146 |
注:女性の表は省略しますが
60歳以上では似たような表になります
55歳以上では160を越えていても正常範囲ですし、
もし治療したとしても60歳以上では
140以内であれば目標内だということです
中高年では100前後までは正常範囲に入ります。