前述のように、沖縄戦では自国民への虐殺や集団自決が発生しました。
それは日本軍の基本姿勢の問題や沖縄に対する蔑視があったと同時に、
沖縄戦は史上稀に見るほどの
激しい戦闘だったことも影響していると思われます。
沖縄戦とはどういう戦争だったのか?
特徴をいくつか挙げてみます。
●持久戦及び捨石作戦だった
沖縄は3月下旬から6月末まで実に100日間も
アメリカ軍の攻撃にさらされ続けていました。
制空権や制海権がアメリカに移った沖縄戦では、
当然攻撃よりも守備が主になる戦争でした。
上陸するアメリカ軍は迎え撃ちの
「水際撃滅作戦」が行なわれるものと思っていました。
しかし日本軍は徹底した「持久」一本やりの作戦をとったのです。
理由は本土決戦に備えること及び
終戦条件をいくらかでも有利に(天皇を守る)するために
時間稼ぎをする必要があったのです。
血の一滴まで粘って戦い、
アメリカ軍の人と物資を消耗させる事が目的だったのです。
飛行機もなければ船もなく、持久のために閉じこもる日本軍に対して、
アメリカはあり余る爆弾、砲弾を雨のように沖縄に注いたのです。
それが3ケ月にもわたる「鉄の暴風」といわれる由来です。
●総動員作戦だった
船も飛行機もないのですから、
武器弾薬も食糧も日本本土から運べません。
もちろん軍隊も増員できないのです。
その状態での徹底持久作戦ですから、
すべて現地での自給自足ということになります。
地引網で魚を取るように徹底的に住民を戦争に狩り出したのです。
名目は防衛隊、学徒隊・・・・
その他あらゆる名目を使って子どもから老人まで集めました
●戦場に軍隊と住民が混在した
住民を戦場から疎開させないで、
むしろ作戦に利用したのです。
住民が戦場にいるということは、
軍隊にとって便利な面と足手まといという逆な面があります。
日本軍では「軍民一体」という考え方をしていましたが、
アメリカ軍が上陸してからは弱肉強食で
弱い住民が軍隊の犠牲になって行ったのです。
●軍人より住民の死者の方が多い
詳しくは各々後の方で説明しますが、
沖縄戦では以上の特徴があったと思われます。
さらに戦後、沖縄が日本から引き離され今に至るまで本土の犠牲になって
軍事基地を引き受けていることも大きな特徴かもしれません。