一般に薬の副作用といいますが、
副作用とは当初の目的以外にも
作用する場合があるということでしょう。
しかし副作用だからと言って
悪いことばかりとは限りません。
解熱や炎症に効果がある
「アスピリン」の副作用は「血液サラサラ」ですし、
ダイナマイト原料のニトログリセリンから出来た
心臓病薬「ニトロ」も副作用の利用でしょう。
抗生物質は「カビ」から出来、
抗菌剤のサルファ剤は染料から出来ました。
そのため副作用という言い方ではなく、
「薬による有害事象」と呼んだ方が良いかもしれません。
どのような有害な反面があるか整理してみます。
ただし、病気の治療には薬は必要です。
有害事象があるからと言って
薬を全て拒否することは危険です。
薬の効果と有害性のバランスを考えて、
有害作用もあることを
承知して使う場合も多くあるでしょう。
問題は
◎解熱剤や下痢止めなど、
念の為といって必要のない薬まで使う。
◎効果のない薬まで不用意に使う
ウイルス感染に抗生物質
インフルエンザワクチン(色々な意見がありますが)
◎効果に疑問がある薬
ある種のワクチン
子宮頸がん、ヒブ、肺炎球菌・・・
タミフル
◎薬以外に他の方法があるのにすぐに薬に頼る。
食習慣、運動、睡眠、安静
◎各種検診の基準が厳しすぎるため薬を使う。
◎お医者さんの掛け持ち受診をする為種類が増える
今回は服用の必要、不必要を別にして、
薬の有害事象に絞って整理します。
まず、薬を使用したときの身体の反応を考えて見ます。
◎身体は本来の自分に戻ろうとする。
私たちの身体は一人ひとり違っています。
その人なりに体内基準値を持っています。
ところが検診で決められた正常値を
超えた場合薬に頼って改善を図ろうとします。
しかし自分なりの体内基準値があるために薬を使っても
身体は本来の自分に戻ろうとするので抵抗します。
あまり薬の効果が出ないのです。
そのため「高血圧」「糖尿病」「コレステロ-ル」・・・では
2種類以上の薬が使われることがあります。
そのための有害事象が増えています。
この原因の有害事象は、
基準を変えて生活指導すれば
薬の使用量は一気に減ります。
☆例えば
血圧(上) 130 mmHg→150 mmHg
血糖値 HbA1c 6.1%→7.0%
総コレステロ-ル 225 mg/dl→245 mg/dl
尿酸値 6.0 mg/dl→8.5 mg/dl
◎身体は自ら治そうと努力する
身体は機械と違って、
ホメオスタシスといって
身体に変化があったときには、
自ら補修して本来の自分に戻ろうとする
自己保持機能があります。
感染の時には発熱や免疫反応で
身体を修復します。
花粉症などの鼻づまりは
炎症反応をおこして修復する働きです。
怪我で出血すれば止血成分が動員されます。
咳も下痢も嘔吐も不都合な物を
排除しようとする身体の働きです。
痛みも自ら治そうとする炎症反応です。
緊急の時には各種ホルモンが動員されます。
つまり身体が変調をきたした時には、
身体は自ら治そうとして臨戦態勢に入ります。
それが 発熱・嘔吐・下痢・痛み・
鼻づまり・血圧上昇・・・・・です。
その自らの戦いを抑える薬を使用すると、
身体は抵抗して臨戦状態に戻ろうとします。
薬に抵抗しないと身体は守れないからです。
そのため薬はだんだん効かなくなります。
さらに強い薬を使うようになり、
危険な状態になります。
勿論私たちの戦いが間に合わない場合には
手助けの意味での薬は必要です。
最低限必要な抗菌剤(抗生物質)・抗ウイルス剤も必要です。
実際の有害事象には
◎薬が思ったほど効果ない
◎強く効きすぎるための害
◎効果はあるが、目的以外のところにも
作用する害などがあります。
次回は「効果はあるが、
目的以外のところにも作用する害」
について考えてみます。
色々ありますが、その中でも
薬の種類や使用が多いのが自律神経関係です。
そこでまず自律神経に関して考えて見ます。