信じられない思いですが、被害者へではなく
加害者である日本企業への補償問題です。
中国人労務者を雇って色々と経費もかかるだろうし、
敗戦になって送還やらその他損害を出したであろう・・・・
この様な奇妙な理屈で国は
中国人労務者を働かせた企業に対し
5,670万以上の補助金(補償金)を支払っています。
それにひきかえ被害者個人には
補償しないどころか給料も払っていません。
●中国人に支払われない理由
労務者の賃金は逃亡を防ぐため支払われず、
社内に強制貯金されていました。
戦後各企業は支払うべき相手が
中国に帰ってしまったため、
賃金を支払う事ができず
日本政府に供託しました。
企業は供託という形式で政府に預けたので、
支払いは完了したという立場です。
そして政府は国家間の問題は
日中友好条約で決着済み、
労務者個人への損害賠償に付いては
「個人は国家に請求できない」としています。
ですから支払われないのです。
信じられない理屈です。
そのために現在でも
中国の個人による(韓国の個人も)
日本企業を相手に多くの裁判が争われています。
「日本企業に政府が支払った保償金」
それでは、日本政府は
企業にどの様な名目で
補償金を支払ったのでしょうか?
まず企業が政府に提出した収支の内容ですが、
先に企業が使った経費の内容を書きます。
戦争前の経費
移入費 44,447,336円
管理費 26,425,139円
給食費 7,913,519円
賃金 45,186,644円
終戦後の経費
休業手当 16,218,072円
管理費 26,001,930円
不当要求その他 16,835,030円
送還費 10,619,972円
合計 193.647,642円
中国人を雇ったのでこれだけ経費が出た。
しかし働かせた利益もあります。
利益は経費より少なくて(??) 53,977,466円
そして利益から経費を引くと大変な損害が出た
損害として -139,670,176円
だから政府に穴埋めしてくれという理屈です。
政府から補助金という名目で出た補償金
56,725,474円
それでも8,000万円以上足りないが
企業は我慢しようという理屈です。
それ以外にも作業所の紛争で企業は
多くの損害が出たとして、
政府に届けが出されています。
しかしそれについては支払われたどうか資料がないため不明です。
●届け出損害明細
お金の損害 9,159,427円
物品の損害 6,497,147円
施設の損害 1,307,334円
業務の損害 29,214,282円
合計 46,178,190円
これらの数字を見ると、
強制連行、強制労働にかかった経費の内、
5,670万円を国が補償したという事が分かります。
これでは強制連行、強制労働は
国の責任で行なった事だと
証明していることになります。