昭和36年6月17日 法律第147号
平成21年4月17日 改正
第1章 総則
第1条 目的
この法律は、
原子炉の運転等により原子力損害が生じた場合における損害賠償に関する基本的制度を定め、
もって被害者の保護を図り、及び原子力事業の健全な発展に資することを目的とする。
第2章 原子力損害賠償責任
第3条 無過失責任、責任の集中等
原子炉の運転等の歳、当該原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、
当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。
ただし、
その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときは、
この限りではない
注:本来損害は電力会社が責任を負わなければならないが、
天災の場合は追わなくても良いということです。
今回の福島の事故が、事故であれば東電の責任であるし、
天災なら責任を逃れます。
もっと簡単に言うと津波が原因なら東電は責任がなくなりますし、
地震による損傷なら責任が生じます。
さらに工学的には考えられないリスクと言いながら、
残余のリスクを認めていた国にも重大な責任が生じます。
2.前項の場合において、
その損害が原子力事業者間の核燃料物質等の運搬により生じたものであるときは、
当該原子力事業者間に特約がない限り、
当該核燃料物質等の発送人である原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。
第4条
前条の場合においては、
同上の規定により損害を賠償する責めに任ずるべき原子力事業者以外の者は、
その損害を賠償する責めに任じない。
注:原子炉の製造会社の責任は問われないということです。
第3章 損害賠償措置
第6条(損害賠償措置を講ずべき義務)
原子力事業者は、
原子力損害を賠償するための措置を講じていなければ、原子炉の運転をしてはならない。
第7条(損害賠償措置の内容)
損害賠償措置は、
次条の規定の適用がある場合を除き、
原子力損害賠償責任保険契約及び原子力損害賠償補償契約の締結若しくは供託であって、
その措置により、1工場若しくは1事業所当たり若しくは
1原子力船当たり1200億円を原子力損害の賠償に充てることができるものとして
文部科学大臣の承認を受けたもの
又はこれらに相当する措置であって文部科学大臣の承認を受けたものとする。
注:現在は準備金は1200億円ですが、以前は50億円でした。
今回に事故でははるかに超えて兆の単位でお金が出ています。
第4章 国の措置
第16条(国の措置)
政府は、原子力損害が生じた場合において、
原子力事業者が第三条の規定により損害を賠償する責めに任ずべき額が損害賠償措置額をこえ、
かつ、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、
原子力事業者に対し、
原子力事業者が損害を賠償するために必要な援助を行なうものとする。
2.前項の援助は、国会の議決により政府に属された権限の範囲内において行なうものとする。