そこで話は蛋白質やバラバラな原料の話に移ります。
まず蛋白質とは何かと言うお話です。
炭水化物・脂肪・ミネラルなど
栄養素は色々ありますが
身体の構造や生命に関係する栄養は蛋白質です。
蛋白質の種類を大まかに言いますと
次のような沢山の種類があります。
あれもこれも身体は蛋白質だらけなのがよく分かります。
◎酵素系
身体の中にある無数の酵素や、
酵素入り洗剤の酵素も蛋白質
◎構造系
コラ-ゲン、ケラチン(髪・爪・皮膚)
絹糸、筋肉(ミオシン・アクチン)
◎呼吸系
ヘモグロビン、ミオグロビン、チトクロ-ム
◎抗原・抗体系
グロブリン、花粉
◎ホルモン系
ペプチドホルモン、インシュリン、甲状腺ホルモン・・・・
◎核
細胞内の染色体蛋白
沢山ある中の構造系に
「コラ-ゲン」という言葉が出てきますね。
これが今日のテ-マなのですが後ほどお話します。
次に蛋白質はどうやって出来ているかです。
蛋白質はアミノ酸が順序良く並んで出来ています。
順序良くと言うことは遺伝子の命令によって配列が決まるからです。
それではアミノ酸とはどういうものなのか、と言うお話をします。
アミノ酸の化学構造を式で書けばこのようになります。
皆さん苦手な化学式ですがお付き合い下さい。
式で書けば上記ですが実際には立体的でこのようになっています。
炭素(C)を中心に「NH2」「COOH」「H」と「R」がくっついています。
他の部分はどうでもよくて、肝心ところは「R」です。
「R」の部分に何が入るかでアミノ酸の種類が決まるのです。
Rに何が入ればどのようなアミノ酸になるのか
3種類を例として示します。
アミノ酸は20種類くらいあります。
ほとんどのアミノ酸は身体で合成できますが、
出来ないもの物もあります。
合成できないアミノ酸が不足すると
原料不足で蛋白質が出来なくなりますから
必ず食事で摂取する必要があります。
このアミノ酸は聞いたことがあると思いますが
必須アミノ酸と言い8種類です。
◎必須アミノ酸
ロイシン・イソロイシン・バリン・
スレオチニン・メチオニン・フェニ-ルアラニン・
トリプトファン・リジン・(幼児ではヒスチジン)
次の表は、「R」の部分に何が入るかで決まるアミノ酸の種類です。
これらのアミノ酸が
遺伝子の命令で順番の1000も10000以上も
つながった状態を「ペプチド」といいます。
そして完成したのが蛋白質です。
よく女性の方から「プロテイン」って身体に良いのですか?
ペプチド美容やアミノ酸美容は
どうなのですか?と聞かれます。
英語に惑わされないで下さい。
プロテインは日本語で蛋白質です。
身体に良いに決まっています。
その蛋白質をバラバラに分断したものが
「ペプチド」で、さらに最小単位にしたのが
「アミノ酸」です。
ただそれだけのことです。
このアミノ酸が遺伝子の命令で
鎖のようにつながってある働きをするようになると
蛋白質と呼ばれます。
アミノ酸に仮に番号を振ると
◎3 8 9 13 20 1 8 4 11 6 5 5 5 ・・・・・・
このようにアミノ酸が並びます。
遺伝子には作り始めと終了と言う
命令遺伝子がありますから決まった
蛋白質が出来るのです。
この長く並んだ蛋白質を途中で大まかに
切断したものは「ペプチド」と呼ばれます。
最近は健康ブームでサプリメントが流行っています。
英語でプロテイン健康法、
ペプチド健康法、
アミノ酸健康法などがありますが、
プロテインとは蛋白質の事ですから単に蛋白質、
ペプチドはバラバラにしたもの、
アミノ酸は原料まで細かくしたもの、
ただそれだけです。
健康増進とは関係ありません。
せっかく遺伝子が肝臓で蛋白質を作れ、
と命令を出して、
アミノ酸を順番にそろえても
途中で原料(アミノ酸)が不足すると
合成は途中で止まって
蛋白質は出来なくなってしまいます。
ですから万遍なくアミノ酸を
吸収出来るように色々な蛋白質を
好き嫌いなく食べる事が大事だと思います。