ベクレルが放射性物質の発生源の数値なのに対してシ-ベルトは私達が放射線を受ける数値です。
どれだけの量の放射線が体に当たりどれだけの影響を受けるかの数字です。
レントゲン(X線)を受けるときは、直接に個人受けますから分かりやすいのですが、
一般的には私達がいる空間にどれだけの放射線が飛び交っているかの目安と考えれよいと思います。
「シーベルトの語源」
スェ-デンの物理学者ロツフ・マキシミリアン・シ-ベルト博士(1896年5月6日~1966年10月3日)の名前です。
低線量の放射線はむしろ体によいといわれていた時代に低線量の被爆が人体に与える影響について研究し、
放射線防護の分野で大きな功績を残しました。
「シーベルトとレム(rem)」
国際単位(SI)系に切り替わる前、シーベルトはレムといわれていました。
●換算は 1シ-ベルト(Sv)=100レム(rem)=1000,000ミリレム です
「グレイ(Gy)」
人間や物質が放射線の照射を受けたときにエネルギ-が吸収されます。それをグレイで表します。
グレイとは1kg当たりに受けたエネルギ-量で言うとJ(ジュ-ル)/Kgの事です。
カロリ-との関係は 1ジュ-ルが0.24カロリ-です。
「グレイからシ-ベルトへ」
シーベルトは実際に放射線防護のため色々な使われ方をします。
単に放射線を受けただけの数値はグレイですが、放射線の種類によってもエネルギ-の強さは異なります。
そのため修正をしなければなりません。
その数値が修正係数です。
●計算方法としては「グレイ×修正係数=シーベルト」と言うことになります。
修正係数
放射線の種類 | 係数 |
X線・ガンマ線・ベ-タ-線 | 1 |
陽子線 | 5 |
アルファ線 | 20 |
中性子線 | 5~20 |
「ベクレルからシ-ベルト」
実際に体が放射線の照射を受けたときには修正係数を掛けて単純にシ-ベルトを出せますが、
今回の福島の事故のように水や食料品その他多くが汚染されています。
汚染されたものからは放射線が出ていてベクレルで表しています。
そのためベクレルからシ-ベルトを計算する必要もあります。
その場合は非常に難しい計算になります。
色々な条件を計算に加えなければならないからです。
そうすると実際の「受託実効線量」というシ-ベルトが出ます。
●条件 1. 放射能濃度 1Kg当たり何ベクレルか?
2. 実効線量係数 放射性物質の種類によってエネルギ-や半減期が違うため係数で補正します。年齢によっても異なります。
放射線の種類 | 実効線量係数 |
ヨウ素-131 | 2.2×10の-18乗 |
ヨウ素-133 | 4.3×10の-9乗 |
セシウム-134 | 1.9×10の-8乗 |
セシウム-137 | 1.3×10の-8乗 |
ストロンチウム-90 | 2.8×10の-8乗 |
プルトニウム-238 | 2.3×10の-7乗 |