欧米と比べて日本人の死亡者が少ないと話題になっています。
理由は色々あると思いますが、
まず「免疫の暴走が少ないこと」と
「肥満が少ないこと」が考えられます。
これ等については前の方で「重症化とサイトカイン暴走」と
「血圧が上昇する仕組みとACE-2」に書きました。
更に考えられることを追加します。
「交差免疫」
●島国の日本で昔に類似したウイルス感染があり
抗体保持者が多いこと。
もともとインフルエンザ以外の
普通の風邪は従来からコロナウイルスです。
そのコロナウイルスの遺伝子の一部が変化したのが
サ-ズやマ-ズそして現在の新型コロナウイルスです。
変異のスピ-ドが早いため
過去に色々な新型が生まれていた可能性があります。
重症化しない程度に流行したコロナウイルスに感染して、
多くの人が自然に抗体を持っている可能性があります。
その場合新型に感染・発症しても軽く済むと思われます。
そのことを最近よく聞かれる
交差免疫という言葉で説説明します。
●交差免疫
最近マスコミに交差免疫という言葉が登場します。
あまり聞きなれない言葉です。
簡単に言うと免疫が働くために
抗原と抗体の反応がぴったり一致すると
免疫力が働きますが、
過去に類似した抗原に感染して
その抗体が体内にあると、
もし新規に感染したとき、
類似しているため過去の抗体が作用する、
という考えです。
完璧きではないが、
類似しているため軽く抗体は作用し、
病気に罹っても軽く済むというわけです。
分かり易く新型コロナウイルスとして図で説明します。
京都教育大学紀要 No.113
細川友秀氏論文を参考にしました。
◎左側がウイルスで、その右側の
長方形に出っ張っているところが抗原になります。
◎右側は過去に罹ったウイルスに対する抗体です。
AからEまで色々なコロナウイルスに対する
抗体が体内にあります。
◎Aは半分しかキャッチできないので効果はありません
◎Bは殆どキャッチしますが根元まで入らないので
あまり効果はありません
◎Cは完全にキャッチしますので抗体として完全に成立します
◎Dは根元まで入りますがそこに隙間が残るのであまり
完全ではありません
◎EもDと同じです。
●結論は
◎きちんと感染して抗体が出来ればCが出来ますので
次回には強力に働きます。
◎過去に類似したコロナウイルスに感染して
B,D,Eの抗体があれば感染は軽く済みますが、
きちんとしたC抗体は出来ないと思われます。
それ以外に考えられること
●白血球の型、HLAの遺伝子型が欧米人とは少し違う可能性がある。
血液型ではA・B・Oが有名ですが、
臓器移植の場合白血球の型、HLAが問題なります。
その型がアジア人と欧米人と違う可能性があります。
●過去のBCG接種
色々ありますがまだ仮説の段階ですので
これからの研究が待たれます。。
「過度な殺菌・消毒の危険性」
パニックを起こしている私たちは
アルコール、塩素、界面活性剤(洗剤)等で
過度の消毒をしています。
その結果起きる事を想像します。
●皮膚の炎症や過敏症、アレルギ-が増えると思われます。
●皮膚のバリア-を日常的に破壊しているので
皮膚からの新規感染を起こしやすくなる。
●環境中の微生物が耐性を持つ。
●身体に共生している常在微生物(善玉)が死滅するので、
菌叢バランスが崩れ新規感染が起きやすくなる。
これから夏場を迎えるので過度な殺菌は危険だと思われます。