上記山西省の毒ガス戦に関する日本軍の
1942年分資料・戦闘詳報が発見されました。
山西省では陸軍第一軍(司令官岩松義雄中将)が
1942年2月~3月にかけて「冬季山西粛清作戦」を実施しました。
第36師団(弘前)の第223連隊(高木部隊・秋田)や
第224連隊(近藤部隊・山形)が
山西省で行った塵滅作戦(いわゆる三光作戦)です。
使用したのはイペリットガスとあか弾、あか筒です。
●第36師作命甲第906号
第36師団命令 2月6日13時 襄垣戦闘指令所
1、36師作命甲第906号に示せる
撒毒地区の件左記の如く定むる
左記
2、撒毒地 柳蒲、王家峪、東田鎮、
半蒲北方地区、黄煙洞、左会、五軍寺、河南店
セキガイ、東堡鎮附近とす
3、主要道路より離隔せる地点に於て
重要施設を発見せる場合之を撒毒す
4、撒毒地はその都度報告すべし
●雪歩224作命第16号
近藤部隊命令 2月9日20時 坪煙村
中略
5、松尾大隊は依然掃討を続行すると共に
特種作業隊ををして
石瓮村(石門村東方四粁)、馬西坡角、
朝陽坡、柳蒲、馬嵐頭、磚壁附近に撒毒せしむべし
撒毒セル地点、毒量をその都度速かに報告すべし
●雪歩224作命第18号
藤部隊命令 2月11日16時 団松村
中略
6、上記期間(注:2月13日~16日)に於て
馬嵐頭、磚壁、東田鎮、王家峪附近に撒毒を実施す
之が為特種作業隊を13日まで松尾大隊に、15日平塚大隊に、16日岩渕大隊に配属す
●雪歩224作命第27号
近藤部隊命令別紙
中略
6、本期(2月19日~21日)に於て
磚壁、東田鎮、王家峪に撒毒す
中略
2月20日
3、本日左の如く撒毒す
松尾大隊-磚壁及びその周辺 25kg
岩渕大隊-東田鎮 25kg
2月21日
8、王家峪及び下合の兵舎並その周辺に撒毒す
毒量18kg 残余なし