肥満とBMI

皆さんがメタボ検診を受けるとき

まず肥満度の検査をします。

まずは腹囲です。胴回りですね。

胴回りは男性の場合85cm以上、 

女性:90cm以上がリスクありとされます。

この数字が適切かどうか

平成24年度の厚生省の資料

(国民健康・栄養調査平成24年)を見ると

40歳~70歳の成人で男性の55.8%、

女性の19.2%が引っかかります。

普通の成人男性の半分以上が病人(?)、

女性では2割以下(?)

何か変ですね。

基準の設定がおかしいからでしょう。

◎外国の基準と比較してみます。

  日本人  男性  85cm以上 女性 90cm以上

  米国   男性 103cm以上   女性 89cm以上

  欧州人  男性  94cm以上 女性 80cm以上

  南アジア人 男性  90cm以上 女性 80cm以上

  中国人  男性  90cm以上 女性 80cm以上

 

日本の男性基準が厳しすぎるので

半分以上が病人になってしまうのです。

そして女性の基準はゆるすぎです。

腹囲で問題ありとされた人は次にBMIを測ります。

BMIは肥満度の度合いを測る数値です。

性別や年齢関係なしに「18.5~25」を正常値としています。

理想数値は男性22で女性21とされています。

それぞれご自分のBMIを計算してみてください。

 ◎BMIの計算  体重(Kg)÷[身長×身長(m)]

   例 体重75kgで身長1m68cmの人の場合

      75÷[1.68×1.68]=26.57

この人の場合「25」を超えているので

肥満と言うことになりますが。

常識的に考えて、168センチの男性で

75キロの男性は普通にいるでしょう。

BMI25以下が正常と言う考えは

常識より厳しいのではないかと言う

疑問が出るのは当然です。

そこでBMIと死亡を見てみます。

 

◎米国健康栄養調査

 各年代でBMI25~29が死亡の危険が

 少ないことが分かりました。

 30を超えたばあいと18.5以下が危険なこと、

 高齢者では低いほうが危険なことも分かりました。

◎死亡指数とBMIの関連 日本保険医学会誌 1997

 BMI18~28では死亡指数に変化はありませんでした。

◎BMIと総死亡率(久我山研究) 

    肥満研究1998年臨時増刊号

 男性のBMI23~27、女性のBMI23~25

 最も安全な事になっています。

 

さて4月5日に日本人間ドック学会と

健康保険組合連合会が協力して

独自の基準を発表しました。

従来と違って約150万人の

人間ドック検診受診者から、

いわゆる健康人はどのような数値なのかを求めた調査です。

人間ドック学会の調査ですから最も正確かもしれません。

その調査での健康人は次の通りです。

男性18.5~27.7、女性16.8~26.1です。

このあたりが妥当なのかもしれません。

この調査には健康保険組合連合会も協力しています。

実は日本中の健康保険は

軒並み赤字でその原因は

薬代だと言われているからです。

東海大学大櫛陽一教授の試算では

BMI該当者が約6割も減ることがわかりました。

医療費の節約につながります。

高血圧、糖尿病、コレステロ-ルに関しても同じことです。

ちなみに高血圧では75%、

コレステロ-ルでは9割も患者が減ります

考えなければならないことでしょう。