身体に水は何故必要か?

2006年6月に書いたものです

 

私たちの身体は何かトラブルがあった時や

環境が変化したときに、

すぐに元の状態に戻ったり、

環境に身体が適応しようとします。

具体的に言えばスポ-ツをして

体温、呼吸、脈拍が変動しても、

すぐに元に戻ろうとします。

また、軽いケガをしても出血は自動的に止まりますし、

風邪を引いても普通は自然に治ります。

 

このように、たえず正常に戻ろうとする働きを

ホメオスタシスとか恒常性保持機能と言います。

 

ホメオスタシスをきちんと働かせるために、

自律神経、免疫、ホルモンなどが

自動的に活躍しているのです。

健康な人のホメオスタシスの幅(余裕)はかなり広くて、

相当身体が変調し病気になっても、

環境がかなり変化しても対応できます。

ただしその巾は人によってバラつきがあります。

遺伝的に巾の狭い人、

普段の生活で巾を広げる努力をしない人、

成人病(食生活など)で巾が狭くなっている人・・・等です。

具体的に言えば遺伝的には

病気にかかりやすい、ストレスに弱い、

血が止まりにくいなどがありますし、

いつも一定の環境でヌクヌクと育った人は

努力をしないことになるでしょう。

成人病の動脈硬化の場合は

スポ-ツの後で元に戻ろうとしても

巾が狭いために心筋梗塞を起こすことがあります。

 

ホメオスタシスが働くために

脳神経は身体の内外での異常を察知すると、

一刻も早く正常に戻るように全身に指令を出し、

バランスよくコントロ-ルします。

しかし指令だけ出しても、

各器官が指令どおり働かなければ困ります。

各器官がうまく働くためには、

酸素、栄養の補給、装廃物の除去が必要です。

そこで働くのは、血液、リンパ、そして水分です。

 

今回は水分がテ-マです。

どんな栄養でも粉のままや塊では吸収されたり

体内で移動することも出来ません。

必ず水に溶けていることが必要です。

また細胞の膜を栄養、酸素、老廃物が出入りするためには、

膜を通じて薄いほうから濃い方に

移動すると言う浸透圧の作用が必要です。

 

浸透圧の例

●  漬物-野菜に塩をかけると、塩の濃度が高いので

    野菜の細胞から水分が外に移動する

●  煮物-水に先に塩を入れると、

    濃度が高いので煮物に水が入れない。

     まず水だけで煮ると外の水が中に入って軟らかく煮える

 

私たちの身体は約60%(赤ちゃんは80%)が水分です。

その内15%が細胞外水分で、

ホメオスタシスに必要な水分です。

赤ちゃんの場合は発達の関係で

この水分が成人より多いのです。

ところがこの水分が一番変動しやすく、

発汗や下痢で直ぐ失われてしまいます。

水がとても大事だとよく言われますが、

理由はホメオスタシスの為なのです。