染色体を放射線が通過する

前ペ-ジの染色体の形は細胞の中で常時このような形をしているわけではありません。

分裂をするサイクルのある時期のみこの形になります。

丁度その時の遺伝子の形を撮影し色で染色して分かりやすくしたのが模式図です。

しかし通常は下のページの図のように細い糸のような形をしています。

その糸を更に拡大するとその次項目の図のよう螺旋階段のようになっています。

ワトソンとクリックの図

その階段のステップ部分は「アデニン」「グアニン」「シトシン」「チミン」と言う4種類の塩基が向かい合っています。

その4つの塩基の並び(向い合いではなく横並び)3個でアミノ酸の種類を決定しています。

これが遺伝情報です。

そのハシゴ、つまりその糸状の染色体を放射線が通過したときにどのような染色体異常が生じるのかが次の図です。

(ゴフマン「人間と放射線」から)

無数の通過の仕方が予想できますが代表的な欠失、環状、転座の例です。

各々の図の上部に糸状の染色体を放射線が通過した状態で、下が通過した時の染色体の模式図でどのような異常になるかの図です。

点線が放射線です。

糸の中心部の「動原体」は染色体模式図のpとqの間です。

放射線が遺伝子を通過しても全てが以上になるとは限りません。

生物は放射線の中で生きてきたのですから、ある程度の修復機能があると思われます。

そのために染色体は2本ずつあるのかもしれませんし、

染色体の遺伝子そのものは後の図にあるようにハシゴのように2重螺旋になっているのかもしれません。

SCN_0028

 注:上の図は2ケを放射線が通過したため小さいものは紛失(欠失)し、

    残りが輪になっています。

 

 

 

 ゲンパツ 染色体図 1

       注:上の図は転座の一種です

 

 

ゲンパツ 染色体図 2

         注:上の図は切れたものを紛失(欠失)してしまいました。

 

ゲンパツ 染色体図 3

 注:上の図の斜線の部分を見ると、対の染色体の半分が入れ替わっています。