1944年、日本軍資料
1944年の日本の資料は大塚備忘録から始めます。
●大塚備忘録から
4月26日
陸軍省局長会報
石井少将より
5月1日研究報告 ホ号は如何
1キロペストを作るに12,500のネズミが必要だった
初期にこれが1割しか出ぬ
生産見込みが立たぬ故1割でやれと命令した
平均2,000で培養された、満州、最低2~3,500
学者を動員しネズミ増殖に関し研究せしめた
水の補給が生殖に重大
服部参謀本部作戦課長
シドニ-、メルボルン、ハワイ、ミッドウエ-、
ペストを1ケ月生かす様にせよ(潜水艦で)
参本
八紘一宇は云わぬ、防禦一点張りか、
対抗手段の為め利用は云わぬ
別名ははっきりした
機密保持
服部、高山、細田
上奏するや否や 親裁 臣下だけでやる
ガス 陛下は不可で許されぬ、
局長は上奏せぬが可といわれた
参本上奏せぬ事に決定した
局長の言であるが、
総理大臣にも云わぬほうが可との事なり
それは困る、云ってしまった、
隠す訳にはいかぬと参本と云った
石井
編成経過に就いては総理大臣にも云わぬ
ホ号にふれぬ
注:天皇にも総理大臣にも秘密で
細菌戦を行おうとしていた
5月23日(満州に出張した小出中佐の報告です)
チフス保菌者治療
胆嚢部超音波 サルバルサン注射が効果あり
サルバルサン、注射ワクチン-着手せんとす、
手術的治療-マルタ実験
膿菌を入れる、効果あり
ウジ弾
製作の希望あり、宮田参謀に申せり
予算と資材を申出よとの事なり
ホ号関係
高々度よりする集中攻撃
命中及濃度構成ありしが、
現在効果をあげる見込なき如し
ペスト生産 田中少佐の研究
餅の使用12分の1となる
丸太500名
局長、餅を犬にしては如何、
犬を使用し実施しあり、
石油缶を培養缶に代えあり
今冬より春にかけ演習成果
丸太使用実験は中央として大いに
全軍的に重要な事を解決せしむる為なり
発疹チフス予防施療液
5万人を有す
関東軍は労務者に使用しあり、効果ある如し
7月5日
細菌戦=(ビアク、サイパン島に使用せば如何)
1 可能なりや、ある程度可能性
(小出)限定せる地域に限られやる、
ある程度医学的には効果あり
地域、時間、一部この案を用いるも時期的、
□□的に制約せず
整備命令 月産50~50kg
3 報復手段を考慮の要あり
報復 細菌戦 ガス戦
4 敵軍に対し作戦したる場合の効果判断
作戦を不可能にならしむる如きは望み得ず
注:日本軍が全滅したサイパン島に
細菌攻撃をする計画です
7月22日 注:会議の様子です
杉山大将
関東軍防疫給水部を作りしは非常に際した、用いる
参謀長時代
ホ号は実施て可、ただし良民を傷つけしは不可
秦
そんな事は出来ぬ、Fも味方も玉砕だ
この条件附けてやれ
御上に申上げるは考慮を要すと
細菌は之を使わせて勝てるようにせよ
局長
ホ号の使用に関し尋ねられし場合如何に答ふべきや、
腹蔵なく意見を述べられたし
注:天皇に訪ねられたらどう答えるか?と
いうことですが、案は出ていません。
サイパン大宮(グアム)取り戻すとして如何
局長
1平方米Px10疋とすれば
1平方キロ米1040キログラムを用いる
8キロメ-トル138平方
半分消耗するものとしてPx約2トンを要す
重点攻撃とすると1/7~1/10
石井
新ウジ弾 装内ウジ弾2,000発を出し得
1キログラム入れて2トン
雨下には今後半年を要す
今1機あるも速度遅い
ウジ弾は8個積み得
250機必要
ただし2粁弾とすれば半数機で可
内藤
現生産能力は1ケ月にして200キロ
装備の見込立たぬ、約3ケ月を要す
これが為めに餅、人を送らねばならぬ、
サイパン、大宮島を同時にやれば4ケ月
局長
効果は現在としては如何
石井
サイパンは時期的には何時でも変なし、
始めは皆腺ペストなり、死す前肺ペスト
局長
感染の後肺ペストまでの時期如何
石井
潜伏期1匹で10日間、たくさんくわわれば4日
機密保持、絶対不可、今
の中硫黄島、父島へ入れておく
雨下10機で200キロ
局長
敵は防疫処置しても防禦不可能や否や
石井
初期は防止し得ず、敵は最後は毒ガスで消毒する
予防接種は罹患にはきかぬ、
ただし死亡率は20%くらい滅す
●真田穣一郎少将の業務日誌
11月14日
ホ号使用に就き軍務局長と話合うこと、
今からにても謀略的用法を考えては如何
11月21日
北野少将(50型ウヂ弾)
判決
その効果は確実にして
人員に対し殺傷の効果を得られた、
ウヂ弾をもって高度500mより
☆企画はどうしても暴露される
☆チビリチビリ使用は不可、
一挙に相当大規模に戦略的に使用が可
☆関東軍としては相当大規模に整備させてもらいたし
11月28日
敵の戦意は最攻勢喰止めに無理を承知で、
非常手段、体当たり機の使用
近き将来における使用を顧慮し、
有機的に統一ある準備