ノロウイルス

       2013年1月に書きました

 

最近ノロウイルスの急性胃腸炎が流行しています。

微生物による急性胃腸炎には多くの種類があります。

まず細菌が原因のものとしては、

サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、ボツリヌス菌、

病原性大腸菌(O-157等)が有名です。

細菌はそれ自身生命機能を持っていて

どんどん増殖できます。

このことを腐敗と言います。

生命機能を持っているので

抗生物質は効果を発揮します。

ウイルスが原因の急性胃腸炎には

アデノウイルス、ロタウイルス、

エンテロウイルス等多くのウイルスがあり、

その中で一番多いのが流行しているノロウイルスです。

 

ウイルスの自身は自分の遺伝用図面だけで、

増殖の仕組みを持っていないので

自分では増殖する事は出来ません。

体の細胞に侵入して

私たちの遺伝子を利用して増殖します。

つまりウイルスは私たちの細胞に

自分の遺伝情報(設計図)を渡して増殖させるのです。

増殖のための生命機能を持っていませんから

抗生物質は効果がないのです。

さらに私たちの細胞内で活動するため

その他の薬も効果ありません。

もし効果があればウイルスも殺すが

細胞も死んでしまうからです。

感染や症状についてはマスコミで

多く取り上げられていますので簡単にします。

感染は口からです。

飲食物としては食材と水、手や指を舐めること、

糞便や吐瀉物が空気中に漂っているのを

吸込む事などに注意する必要があります。

症状に個人差はありますが、

嘔吐、強烈な下痢、と発熱が主ですが、

たまに症状が出ない人がいます。

さて治療ですが、先ほど書いたように

治療薬はありません。

十分な休養と水分の補給です。

特に下痢や嘔吐が主ですから

脱水に気をつけなければなりません。

ミネラル分が失われているので

普通の水はお勧めできません。

ミネラルを多く含んだ水分と言うことになります。

急で何もなければコップ一杯のぬるま湯に

一つまみの塩でも良いと思います。

水分補給をしていれば数日でウソの様に治ります。

体の免疫体制が整うのに数日かかり、

後は免疫力が勝つからです。

勿論免疫力が弱い高齢者や幼児は

注意しなければならないのは当然です。

免疫では一度感染すると体が記憶します。

基本的にはそうですがノロスイルスの場合、

種類が30種類以上で、

更にどんどん変化しますから、

何回も感染するかもしれません。

しかし2回目以降は軽く済む事が考えられます。

これはインフルエンザと同じです。

 

最後に注意ですが、下痢だからと言って

薬で下痢を止める事は逆に

悪化させるといわれています。

下痢を止めないで水分補給をすることが大事なことです。