血圧
2008年3月に書きました
数年前からメタボリック症候群
という言葉がはやりだし、
最近では短くメタボといわれています。
新たに導入される特定検診・保健指導は
医療費削減が目的といわれますが、
保健指導の対象者は日本人の
およそ4人に1人と言われ、
むしろ医療費は増えるとも思われます。
新たな公共事業かもしれません。
さて今回はその項目から血圧を取り上げます。
基準では最高血圧130mmHg
(以降、数字の後のmmHg単位は省略)、
最低血圧85以上がメタボの対象になります。
昔は最高血圧160、最低血圧95以上の人を
高血圧と言い、140~160を境界域と言われていましたが、
2000年に高血圧ガイドラインが見直され、
糖尿病など危険因子をもたない人は、
最高140、最低90以上が
高血圧と呼ばれるようになりました。
未治療も含めると高血圧患者数は
約3900万人と報告されています。
さて高い血圧は下げたらよいのかという問題です。
血圧が高いと脳卒中や心筋梗塞になり易いと言われます。
確かに血圧の高い人が危険なことは
多くのデ-タ-があります。
しかし高い血圧を薬で強制的に下げた場合に
病気の危険が低くなるという
デ-タ-はあまりないようです。
確かにいくらか脳や心臓のトラブルは
減るようですが、かえって
総死亡が増えるという報告もあります。
◎HOT研究
Lancet 1998年 世界26ケ国の約2万人の調査
◎NIPPONN研究
国民栄養調査の対象者を14年間追跡した調査
血圧があまり高いことは
良くないことかもしれませんが、
特別に血圧が上昇する原因(病気)がない限り、
高い人は高いなりに人生を送ってきているのです。
もともと最高が165の高齢者は、
それこそ何十年も165で生きているのです。
つまりその人の身体は165の血圧のもとに
正常に維持されているのです。
ですから薬で強制的に下げると、
脳や心臓には良いかもしれませんが、
長い間その血圧に馴染んできた身体にとっては
色々な不都合が生じる可能性があります。
そのためのトラブルで
総死亡数が増えるものと思われます。