核施設の廃炉・廃止

前に発電所以外の核施設について少し書きましたが、

日本では発電所以外に多くの研究炉や実験装置があります。

発電所と同様に廃炉や廃止、つまり後片付けの作業が大変です。

福島の事故を起こした発電所の片づけは数十年或いは100年単位かかるかもしれません。

事故を起こしていない正常な(?)発電所でも寿命が来れば廃炉作業をしなくてはなりません。

通常の廃炉でも日本では経験がないため金額も年数も不明です。

恐らく大変なので政府は廃炉の決定ができないのでしょう。

ズルズルと使い続けて終わってから考えよう・・・・でしょう。

研究炉や実験装置では既に廃止したところが沢山あります。

もちろん研究や実験ですから規模は小さいので比較はできませんが参考までに一覧を載せます。

小さい施設でも膨大な核廃棄物が出ることの注目してください。

 

●研究炉の廃止措置

施設名

所有者

(所在地)

熱出力

運転開始

運転停止

廃止の現状

JRR-1

原子力機構

(東海)

50KW

1957.8

1968.9

炉心から燃料抜き取り炉本体施設密閉

原子炉を記念展示し公開(1978年)

2003.7原子炉施設から核燃料施設に変更

HTR

日立エンジニアリング

 (川崎)

100KW

1961.12

1975.2

廃止措置中。1975年6月解体届、

2007年4月廃炉認可。

1976年以降燃料、放射性廃棄物保管中。

原子力船

(むつ)

原子力機構

 (むつ)

36MW

1974.8

1992.1

廃止措置中。1992年8月解体届、

2006年10月廃炉認可。

原子炉を取り外し、1995年展示公開

JPDR

原子力機構

(東海)

90MW

1963.8

1976.3

1986年解体開始。1996解体完了

放射性廃棄物4500トン、

一般廃棄物18000トン

JRR-2

原子力機構

(東海)

10MW

1960.10

1996.12

廃止措置中。1997年5月解体届、

2006年11月解体認可。炉体密閉、

その他機器等2004年3月解体完了

TTR-1

東芝

(川崎)

100KW

1962.3

2001.1

廃止措置中。2001年8月解体届、

2007年解体許可。

核施設解体中。使用済み燃料米国へ

立教大学

立教大学

(横須賀)

100KW

1961.12

2001.12

廃止措置中。2002年8月解体届、

2007年6月認可。

2003年11月米国に燃料へ燃料返還。

解体準備作業中

武蔵工大炉

武蔵工大

(川崎)

100KW

1963.1

1989.12

廃止措置中。2004年1月解体届、

2007年6月認可。

2006年11月米国に燃料へ燃料返還。

解体作業中2

旧JRR-3

原子力機構

(東海)

10MW

1962.9

1983.3

改造のため、解体撤去。

炉体は大型保管庫に撤去。

JRR-3として運転

出典 電気新聞 原子力ポケットブック 2008年版

 文部科学省 研究炉等安全規制検討会資料 2005年1月

 原子力安全委員会 試験研究のための原子炉施設に関する調査 2008年8月

 

●臨界実験装置の廃止措置

 

施設名

所有者

熱出力

運転開始

運転停止

廃止の現状

AHCF

原子力機構

(東海)

50W

1961.6

1967.3

1979年2月廃止完了

SCA

住友原子力工業

(大宮)

200W

1966.9

1970.12

1971年2月廃止完了

MCF

日立製作所

(川崎)

100W

1962.10

1973.7

2003年7月廃止完了

JMTRC

原子力機構

(大洗)

100W

1965.10

1995.12

2003年3月廃止完了

使用済燃料米国に返還

VHTRC

原子力機構

(東海)

10W

1985.5

2000.9

HTTR臨界で使命達成。

2003年3月解体届、2006年11月廃止許可

2000年末第一段階完了

第2段階撤去予定。使用済燃料保管中

DCA

原子力機構

(大洗)

1KW

1969.12

2001.9

ふげん停止で計画中止、

廃止中。2001年1月解体届

2006年10月廃止認可

出典 電気新聞 原子力ポケットブック 2008年版

 文部科学省 研究炉等安全規制検討会資料 2005年1月

  原子力安全委員会 試験研究のための原子炉施設に関する調査 2008年8月