最後に
戦争が悪いことなのは当然です。
その上にアヘンによって中国人を中毒患者にし、
財産を収奪したことは戦争行為とは別です。
完全に反人道的な犯罪です。
しかもその利益で傀儡国家を運営し、
戦争資金とし、一部の日本人は財産を手に入れました。
そしてそのみっともなさに誰一人として
事実を解明し反省もしていないのです。
里見甫が何故東京裁判で裁かれなかったのか?
里見自身が不思議がっていたという後日談があります。
結果として戦後知らん顔をして、
政治権力や財界の中心で活躍できた人が沢山いた事は事実です。
アヘンの問題で分かった事は、
満州国をはじめ日本が中国各地に作った
多くの傀儡政権の赤字を埋めるために、
官・民・裏社会が一丸となって
アヘンの入手、確保、販売に狂奔したことです。
官は外務省を始めとする役所・政治家・陸海軍・興亜院であり、
民は三井・三菱をはじめとする商社であり、
裏社会は里見機関その他です。
考えてみると現代日本の多くの問題が
政官財癒着にある事と同じように思えます。
これだけの犯罪を犯した人たちが
誰一人として罪に問われる事なく
戦後日本の政財界に君臨していたのですから
その延長として現在があるのは仕方がないかもしれません。