放射線の持つ電離作用
放射線の持つ電離作用とはどのようなものでしょうか?
元素の中で原子核の周りを惑星のように飛んでいる軌道電子があります。
その電子を外に弾き飛ばす作用を電離作用と言います。
その電離作用を引き起こす放射線が電離放射線と言われ問題になるのです。
放射線が元素に当たる事によって外側の軌道の電子が弾き飛ばされます。
そうすると原子核の陽子と電子の数が合わなくなりますので元素は非常に不安定な状態になります。
それ以外にも内側の電子が飛び出しその影響で外側からその分だけ内側に移動したり、
ただ単に内側から外側に移動したりする事もあります。
注:内側の電子が飛び出した場合、空いた軌道に外側から電子が入ろうとします。
外側の電子の方がエネルギ-が強いため内側に入るとき電磁波を出します。X線です
注:内側の電子が外側に移動した場合励起といいます。
やはり外側から内側に戻ろうとします。
そのとき放出するエネルギ-を蛍光と言います。
いずれにせよ電離や励起によって原子は不安定になり不都合な化学反応が起きたり壊れたりする事があります。
放射線が危険性だということはすべてこれらの電離作用が基本にあるのです。
電離放射線の発見は1890年代だと言われます。
特に1895年にW.Cレントゲンは真空管の放電研究から発見したことは有名です。