新型コロナウイルスと免疫 2
ここからは微生物特にウイルスの感染と免疫について簡単に書きます。
「微生物について」
人間に病気を起こす微生物にはいろいろな種類があります。
色々の分類の仕方がありますが簡単に分けると、
☆高等原生生物
原生動物 藻類 真菌
☆下等原生生物
藍藻類 細菌 リケッチア クラミジア マイコプラズマ
☆ウイルス
☆その他
これ等の微生物がすべて病害を与える訳ではなく、
ごく一部の微生物が人や動植物に病原性を持つのです。
植物や動物に関しては省いて、人間に関して説明します。
「ウイルス感染と治癒」
ウイルスに出会っても必ず感染や発病するとは限りません。
私たちの人間側の状態によります。
◎自然免疫によってウイルスを排除する
◎排除できない場合はウイルスが細胞内に侵入する
◎初めての感染の場合は身体中の免疫機能を作動させて
ウイルスと戦う
その作動開始までに数日かかる
その間は発熱でウイルスの活動を鈍くする
自然に治る
そして2度と感染しないように抗体が出来て記憶として残る
◎2回目以降の感染であれば既に記憶されている獲得された免疫が
瞬時に作動する。
発病しないか、発病しても軽く済む
通常はこのような経過で自然治癒します。
しかし重症化する場合もあります。
◎免疫力が低下している場合は重症化する。
→老化 臓器移植手術後、ガン、その他基礎疾患(余病)がある場合
→常用している薬や健康食品の副作用がある場合
◎免疫力が効かないほどに強い病原性ウイルスの場合
黄熱病、ポリオ、日本脳炎 狂犬病・・・・
この場合は事前にワクチン(予防接種)が必要になります。
◎発症時に強い解熱薬で熱を下げ過ぎた時
「ウイルスの種類」
注:1999年版の「シンプル微生物学」を参考にしているので
その後若干変わっていると思います。
ウイルスにも色々なタイプがありますがここでは
今話題のRNAウイルスに絞ります。
身近な病気を黄色にしました。
RNAウイルス
科 | 代表的な名前 | 人間での病気 |
オルソミクソウイルス | インフルエンザウイルス | インフルエンザ 色々な型 |
パラミクソウイルス | パラインフルエンザウイルス | 小児の急性上気道感染症 |
ムンプスウイルス | 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) | |
麻疹ウイルス | はしか | |
RSウイルス | 乳幼児の急性気道感染症 | |
ラブドウイルス | 狂犬病ウイルス | 狂犬病 |
トガウイルス | アルファウイルス | 発熱・関節痛・筋肉痛・・・・ |
リビウイルス | 風疹ウイルス(三日ばしか) | |
フラビウイルス | デングウイルス | デング熱 |
黄熱ウイルス | 黄熱病 | |
日本脳炎ウイルス | 日本脳炎 | |
コロナウイルス | ヒトコロナウイルス | ヒトコロナウイルス |
新型ヒトコロナウイルス | ||
SARSコロナウイルス | サ-ズ | |
MERSコロナウイルス | マーズ | |
アレナウイルス | ラッサウイルス | ラッサ熱 |
タカリベウイルス | アルゼンチン出血熱、ボリビア出血熱 | |
リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス | 稀に人に感染(無菌性髄膜炎) | |
フィロウイルス | エボラウイルス | エボラ出血熱 |
ハンタ-ウイルス | 腎症候性出血熱 | |
昆虫媒介性ブニヤウイルス | 出血熱・脳炎 | |
ピコルナウイルス | エンテロウイルス | ポリオ |
コクサッキ-ウイルス | A群(手足口病) B群(心筋炎) | |
エコ-ウイルス | 無菌性髄膜炎 | |
ライノウイルス | 小児気管支炎、肺炎 | |
ヘパトウイルス | A型肝炎ウイルス | |
レオウイルス | ヒトレオウイルス | 不明 |
オルビウイルス | コロラドダニ熱ウイルス | |
ロタウイルス | 小児胃腸炎 嘔吐・下痢 | |
コロラドダニ熱ウイルス | 発熱 | |
レトロウイルス | ヒトT細胞白血病ウイルス | 成人T細胞白血病 |
ヒト免疫不全ウイルス | エイズ | |
カリシウイルス | ノ-ウォ-ク(ノロ)ウイルス | 下痢 類似したウイルスは沢山ある |
その他 | 多くの肝炎ウイルス、他 |