恒常性保持機能の巾と回復力
自律神経のところでも書きましたが、
私たちの身体は身体内部の変化や
外部の環境変化に対して
かなり広い範囲で自動的に対応しています。
この働きを恒常性保持機能(ホメオスタシス)と言います。
環境の変化は気温、湿度、急な驚き、
怪我などがありますが、
ここでは身体内部の変化について考えて見ます。
◎内部の変化
食事の後には当然ですが血糖値、
コレステロ-ル値、血圧などは変動します。
この変動を健康食品で抑えようとする
宣伝がありますが、実は変動するのが
正常なのです。
変動しなければ困るのです。
この変動を自動的に元に戻すのが
恒常性保持機能です。
運動した後の疲労も同じことで、
疲労するのが正常で
元に戻すのが恒常性保持機能です。
又、血圧・血糖値・コレステロ-ル値・
尿酸値等は身体の状態もその人なりに一
定の基準があります。
家族性、遺伝性、体質など色々と
表現されますが、一人ひとり皆違います。
それなのに健康診断などで血圧や
コレステロ-ルや血糖値が基準値より
高かった場合、薬で基準値に
近づけようとします。
このこと自体が内部変化を
起こしていることになります。
しかし何か特別な病気があれば別ですが、
多くは数値が高い方がその人では
正常値な場合があります。
その場合薬を使って強引に下げても
恒常性保持機能が働いて、
本来の自分の数値に戻ろうとします。
つまり薬に抵抗するのです。
するとあまり効果が出ないので、
さらに薬の量が増えることになります。
その他あらゆることに恒常性保持機能は
自動対応しています。
高齢者になるとその恒常性保持機能の
巾が狭くなり、さらに回復時間が
延びるようになります。
若者と比較すると
◎急激な気温の変化に追いついていけなくなる
◎疲れやすく、疲労がなかなか抜けない
◎驚いたときに興奮しなかなかさめない
◎食事の後の体内基準の変化がなかなか元に戻らない
◎病気になっても回復に時間がかかる
これらは病気でない限り、
基本的には加齢によるもので
仕方がないことです。
しかし高齢者はこの加齢の状態を
健康食品で何とか補正しようとしているのが
現状だと思います。