コレステロ-ルについて
メタボ検診のところで書きましたので
少し重複するかもしれませんが、
少しコレステロ-ルについて書きます。
コレステロ-ルという物質はありますが、
いわゆる検査などで、
コレステロ-ルと言う場合は
コレステロ-ルを含む複合体のことを言います。
つまり通称コレステロ-ルは体の中では単体ではなく、
「コレステロ-ル」「脂質類」「燐」「蛋白質」の
4種類が複合体として存在しているのです。
複合体ですからその比率の違いで
ブヨブヨだったり硬く締まっていたりします。
一番大きくてブヨブヨしているのが
カイロミクロンで、85%が中性脂肪です。
4種類の比率でVLDL、LDL、HDLと分けられます。
その中で一般的にHDL(通称善玉コレステロ-ル)と
LDL(通称悪玉コレステロ-ル)のことがよく言われるのです。
つまり単体のコレステロ-ルそのものが
問題なのではなくて、複合体の比率が問題なのです。
HDL(High density lipoprotein 高比重リポ蛋白)
LDL(Low density lipoprotein 低比重リポ蛋白)
検査で総コレステロ-ルと言う場合は、
VLDL、LDL、HDLの合計です。
● コレステロ-ルの必要性
◎各臓器、筋肉、血管、脳神経などの
膜を作ったり補修をする
このことから認知症に関係する
血管や神経細胞への影響も考えられます
又、細胞表面の膜を強化して
ウイルス侵入を防ぐことも考えられます。
子宮頸がんの発症と脂質の摂取が
関係しているとの説もあります。
◎各種ホルモンの原料になります。
注:コレステロ-ルのステとは
ステロイドを意味します。
糖質コルチコイド(ステロイドホルモン)
電解質コルチコイド(ミネラルコルチコイド、
鉱質コルチコイド)
エストルゲン(卵胞ホルモン)
プロゲステロン(黄体ホルモン)
テストステロン(男性ホルモン)
◎ビタミンDの原料
◎胆汁の原料
◎卵や母乳に必要なので、
女性は少し高めが有利です
● コレステロ-ルの必要性から考えると
◎あまり下げるとホルモン原料が不足する
◎その結果免疫力が低下する
◎受精卵の発育にコレステロ-ルは
重要なので、低いことは危険です
だから魚卵や鶏卵はコレステロ-ルが多いのです。
ですから妊娠可能な女性には
多少高めのほうが安全なことが分かります。
コレステロ-ルの80%位は肝臓を主として
体内で合成されますので、
食事で取り入れたコレステロ-ルは
直接数値に影響することはないことも
分かって来ました。
前にも書きましたが、
各種健康診断の基準値(正常の巾)が厳しい為に
薬の使用量が増える傾向にあります。
全国の健康保険組合が赤字に苦しんでいる現在、
基準を見直して薬代を減らすべきだと思います。
◎血圧 高血圧学会では高齢者の場合上が
147までOKにしています
◎血糖値 糖尿病学会では高齢者の場合
HbA1cが7.0までOK
既に糖尿病の患者には
8.5までOKにしています
◎尿酸値 痛風学会では9.0からを
薬物治療の対象にしています。
その他検診で測られる中性脂肪やBMI
その他すべて現在より少し高めが有利です。