糖尿病薬

正確な数値が測れることから最近では

HbA1cの数字(%)で表示するようになりました。

成人病検診では6.0%以上は

治療を受けるように勧めていますが、

実は日本糖尿病学会では6.5%未満は良とし、

国際標準値は6.9未満が良となっています。

成人病検診の基準が厳しすぎると病人が増え

過度な投薬で副作用も増えることになります。

 

2008年の米国の試験では8.2%の患者を

6.0%に下げようと強引(?)な治療をした結果、

かえって死亡率が上がったとの報告があります。

(ACCORD試験、米国立衛生研究所の下部組織の研究)

 

この調査の影響でしょうか

2013年には日本糖尿病学会も

正常化の目標は6.0%としたまま指針を変更しました。

 ◎合併症予防目標値 HbA1c  7.0%未満

 ◎治療を強化することが困難な場合 

  HbA1c  8.0%未満

 

つまりあまり無理な治療をするなということです。

糖尿病は基本的には

インスリンが出ないか、少ないかです。

それによってⅠ型、Ⅱ型に分類されます。

インスリンは糖分の代謝だけではなく、

蛋白質や脂肪の代謝にも関係しています。

インスリンの代わりになるような

ホルモンや薬はありませんので、

他の薬よりも基本的には

インスリンを補充することが

大事だと思われます。

 

しかし実際にはインスリンより

もっと手軽に使えるということで

色々な薬が出ています。

日本老年医学会の資料では

高齢者の場合多くの糖尿病治療薬が

ストップになっています。

細かく書きませんが、

特に問題になる薬だけを書きます。

 

薬の商品名と副作用です

「分類 チアゾリン薬」

 商品名 アクトス

 副作用 骨粗しょう症、骨折(女性)、心不全

注:膀胱がんをはじめとした

  発がんの危険性も指摘されています

「分類 SGLT2阻害薬」

 商品名 スーグラ、アプルウエイ、デベルザ、

     フォシ-ガ、ルセフィ、カナグル

 副作用 重症低血糖、脱水、尿路・性器の感染リスク

注:血液から糖分を取り除く薬として

  NHKでも取り上げられました。   

  SGLTはグルコ-スを細胞内に

  取り込む仕組みで、1型と2型があります。

      その2型の働きを阻害することで

    糖分を細胞内に再吸収しないで

    尿に出すようにする薬です。

      ただし取り除かれた高濃度の糖分は

    膀胱を通って尿として排泄されます。   

    高齢者は尿の排泄能力が落ちていますので   

    糖分濃度の高い尿によって

    感染症のリスクが高まります

      またSGLT2型の仕組みは腎臓だけではなく

    肝臓、肺、脳など多くの場所にあるため、   

    薬は他の場所にも作用し

    副作用の可能性があるのです。

 

ストップ薬、スタ-ト薬の両方に

記載がありませんが、

最近多く使われる「GLP-1作動剤」や

「DPP-4阻害剤」は

無理に膵臓を働かせてインスリンを

分泌させる為、膵臓機能の疲弊も指摘されています。

 

商品名

 GLP-1作動剤 ビクト-ザ、バイエッタ

 DPP-4阻害剤 ジャヌビア、オンダリサ、ネシ-ナ